レール
人生のレールから一度でも外れると、復帰するのはかなり難しい。
日本は特にってよく聞く。
今ならわかる。
ものっすごい厳しい。
でも、俺は自分の意志でレールから外れたんじゃない。
無理矢理レールから外されたんだ。
せっかくついた仕事で、とんでもないクレーム対応が運悪く続き、気づいたら精神的に病んでた。
電話をとる事が怖くなるのが始まりで、仕事場に行くのが怖くなり、自分が何をしているのかわからなくなった。
朝は早くに目が覚めて、布団から出られず、スマホの時計を見てギリギリの時間になるまで震えながらカウントダウンしている。
仕事から帰っても、次の日の事を考えてしまい、何をしても面白くなかった。時間が刻一刻過ぎていくのを数えながら、次の日に近づくたびに、気持ちがどん底に落ちていった。
それを毎日毎日毎日毎日・・・繰り返してた。
そうやって日に日に病んでいって、ついに勇気を出して休職を願い出たが、却下。
部署異動をお願いしたときも怒鳴られ、ますます追いつめられていった。
ちゃんと病院で診断書を書いてもらってそれを提出したのに、具体的な日付、期間が入ってないから受け取れないって。
あのころは何も知らなくて、病んでいた事もあって、なにも出来なかった。
今は思う。あのときは病んでる事、何も知らないのをいいことにうまく言いくるめられたんだって。
追いつめられすぎた俺は将来のことを何も考えずに、考える事も出来ずに、退職という決断をしてしまった。